2020.10.11
【大規模修繕】マンションは定期的な防水の修繕が必須な理由
マンションの屋上防水は、普段は目にする機会も少なく関心を持ちにくい部分ではないでしょうか?
しかし劣化が進行して漏水などの問題が発生してしまうと、被害の規模は大きくなり生活にも支障をきたすことがあるなど十分な注意が必要な場所でもあるのです。
マンションは定期的な防水の修繕が非常に重要な意味を持ちますが、それには理由があります。
今回は、マンションの屋上防水は定期的な修繕が必須である理由と、おもに2つの修繕方法について徹底解説します。
マンションは定期的な防水の修繕が必須な理由
建物には減価償却資産が利用に耐える年数を指す耐用年数が、税法上定められています。
そして法定耐用年数を見てみると、鉄筋コンクリート造(RC造)で47年、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)で60年となっています。
この年数だけ見ると、法定耐用年数を超えた建物は使えなくなるという印象を持つかもしれません。
しかし、法令耐用年数とは減価償却費を計算するために設定されたものであり、適切にメンテナンスを実施しながら使うことで耐用年数以上に長持ちさせることが可能です。
RC造やSRC造の建物は、おもにコンクリートの中性化にともなって鉄筋が腐食し強度を失ったときが寿命と考えられています。
防水工事は、太陽光や雨水から建物を守っているだけでなく、中性化など劣化の進行を抑制する重要な役割を果たしています。
つまり、建物を守る防水層が劣化してしまうと、建物の寿命を縮めてしまう原因になるわけです。
まずは建物を守る防水層を定期的に改修することが、建物の耐久性を維持していく意味で重要になります。
マンションの防水を修繕する2つの方法
マンションの防水修繕には大きく2つの方法があります。
その方法とは以下の通りです。
- かぶせ工法
- 撤去工法
かぶせ工法
防水修繕のかぶせ工法とは、既存の防水層で劣化状況が著しい部分だけを撤去および補修し、その上から新たな防水層を形成する方法です。
既存の防水層をそのまま下地として利用することで防水機能をより強固なものにできるうえ、工期の短縮やコストの削減に寄与します。
その他にも工事中の騒音や振動なども少なくなるなど、周辺への配慮という点でも有利です。
以上のように非常にメリットが多いことから、防水改修として最も多く採用されている方法になります。
ただし、かぶせ工法には注意点もあります。
既存防水の種類によっては相性が悪いものもあり、かぶせ工法による施工ができない場合があります。
ちなみに施工が可能なのは、「ウレタン塗膜防水」「FRP防水」「塩ビシート防水」「アスファルト防水」などです。
また建物の負荷が大きくなり耐振性にも影響するため、同じ建物に何度も行える方法ではありません。
撤去工法
防水修繕の撤去工法とは、既存の防水層をすべて撤去して新たな防水層を形成する方法です。
解体工事がともなうことからコストは高くなりやすいですが、新たにつくり直すため新規防水工事の種類を自由に選べます。
そして、美しい仕上がりが期待できるうえ、建物への負荷もなく耐振性低下を招く不安もありません。
撤去工法の注意点は、かぶせ工法よりも工期が長くなること、そしてコストが高くなってしまうことが挙げられます。
また、施工期間中に雨が降ると漏水の危険性があるため対策が必要になります。
マンションの防水修繕は、建物を長持ちさせるためにも定期的に行うことが必須です。
しかし防水機能を著しく損ね漏水などの事態が生じた後では、被害の規模が大きくなり、かえってコスト増につながってしまいます。
何かが起こって実施するのではなく、何かが起こらないよう予防するという考え方がポイントになります。
まずは専門業者による点検を行い、コンディションのチェックをしてみてはいかがでしょうか。
仙台市および近隣の防水工事に関することは、弊社までお気軽にお問い合わせください。