2020.3.27
ベランダのサビは危険信号のサイン?定期的なチェックで工費を節約
ベランダのサビは危険信号のサイン
「床の鉄骨がサビて穴があいてます…」
「水がしたたり落ちてくるようになりました…」
先日、アパートのオーナー様よりこのようなお話を聞かせて頂きました。
ベランダというのは常に風雨に晒されている場所のため、鉄部はサビが発生しやすいのですが、オーナー様ではなかなか気付きにくい場所であることから、気付いた時には床が抜け落ちそうになっていたということも…。
早期発見できていれば腐食した鉄骨の部分溶接で済むのですが、サビの症状が深刻な場合はベランダの交換が必要になるため、費用は一箇所あたり30~50万程度かかってしまいます。
同じ面にあるベランダであれば、どの部屋のベランダもだいたい同じような状況であることが予想されますので、その費用はかなり高額になってしまいます。
また、腐食が進んだベランダは手すりの破断が起きたり、落下や事故に繋がる可能性もあるため非常に危険な状態です。
平成28年に消費者庁から建物オーナー様に向けて、鉄骨設備の不具合に関する資料が公表されており、事例として平成27年に腐食したアパートの外階段の踏み板が外れ、階段から落下した事故が紹介されています。
このような大きな事故を起こさないために、定期的に行う外壁塗装工事の際に工事業者から提案してもらうなど、信頼できる業者と付き合っておくことが重要になります。
サビが発生する原因
そもそもサビが発生する原因とは一体何でしょうか?
サビは金属の腐食が進行することで発生する金属酸化物です。
鉄などの金属は雨などの水分が掛かると鉄表面に掛かった水分が酸素と化学反応を起こし、サビが発生してしまいます。
そのため、鉄部には塗装で保護する必要があるのですが、塗膜は一生モノではありません。
日差しや風雨によって塗膜は剥がれてしまいます。
鉄部がむき出しになってしまうと、いつサビが発生してしまってもおかしくない状態です。
はじめは小さなサビでも塗膜の下でどんどん腐食が進行してしまいますので、外壁塗装工事は現状の確認も含め、とても重要な工事なのです。
ケレン(下地処理)の重要性
金属部を塗り替える時は、既存の塗装やサビを専用の機械またはヤスリ・サンダー等で剥がすケレンという下地処理の工程や、サビ止め塗料を塗る工程が必要となります。
一度塗料を剥がすことで、塗料が塗られていた状態では気付かなかったサビや腐食に気が付くことも少なくありません。
ちょっとの剥がれだから…とケレンをせずそのまま重ね塗りをしてしまう方もいるかもしれませんが、古い塗膜の上から重ね塗りしても下の塗膜が剥がれ落ちた段階で、上に乗せた塗膜も剥がれてしまいますのであまり効果はありません。
外壁塗装工事をしたばかりなのにサビが発生した場合
外壁塗装工事をしてから3年以内にサビが発生した場合、以下の手抜き工事が考えられます。
・ケレンが不十分
・防サビ処理をしていない
・重ね塗りの回数が不十分
3年以内にサビが発生するのは非常に稀なことですので、泣き寝入りせず業者さんに修繕を依頼してください。
もちろんこのようなことが起きないよう、初めから信頼できる業者さんに依頼するのが一番安心です。
もらいサビに注意
きちんと工事をしてくれたのにもかかわらずサビが発生してしまうケースがあります。
それは「もらいサビ」です。
もらいサビは、ほかで発生したサビが移ってしまうことで発生するサビで、モルタルなどの金属ではない壁やステンレスにサビが発生してしまうことがあります。 もらいサビは進行が非常に速いので、自転車や脚立などは建物の近くにはおかないようにしましょう。