2020.2.20
モルタル外壁の補修方法とは?DIYでもできる?
近年、住宅の外壁材といえばサイディングが主流となっていますが、以前はモルタルが広く使用されていました。
そのため、現在でもモルタル外壁の住宅は多く残っています。
しかしモルタル外壁は、経年とともにひび割れなどの劣化が起こりやすく、定期的に補修をするなどメンテナンスは欠かせません。
では、費用を抑えるために、モルタル外壁のひび割れなどの補修をDIYで行うことは可能でしょうか?
そこで今回は、モルタル外壁を補修する方法について、またDIYでもできるのかという点もご紹介したいと思います。
モルタル外壁の特徴とは?
まずはモルタル外壁のおもな特徴について簡単に解説いたします。
そもそもモルタルとは、セメントに砂、水を加えて煉り合せたもので、施工性に優れ仕上げ材や目地材などに多く用いられています。
ちなみにコンクリートとは、モルタルに砂利を加えたものです。
一般的なモルタル外壁とは、下地面に防水シートとラス金網を張り、その上に左官コテでモルタルを塗り付け、さらに塗装で仕上げます。
モルタル外壁は、耐火性や耐久性に優れている反面、ひび割れが起こりやすく、また汚れも付着しやすいといった側面があります。
モルタル外壁の補修方法とは?
モルタル外壁は、経年とともに現れる劣化症状をチェックすることで補修方法やタイミングを検討できます。
モルタル外壁の代表的な劣化症状は、以下のようなものが挙げられます。
- ・塗膜のチョーキング
- ・塗膜の浮き、剥がれ
- ・モルタルのひび割れ
- ・モルタルの欠損
これらの症状別におもな補修方法をご紹介いたします。
塗膜のチョーキング
チョーキングとは、外壁塗装の表面にチョークの粉のようなものが付着する、比較的初期に現れる劣化症状のことです。
緊急性はありませんが、そろそろ塗り替えを検討するタイミングが近いことは認識しておきましょう。
塗膜の浮き、剥がれ
外壁塗装の塗膜が浮いたり剥がれたりしている状態は、すでに本来の機能は失われている可能性があります。
モルタルの層へ影響が及び、ひび割れなどが起こると水分の侵入を許すようになるため、雨漏りや構造を腐らせる原因にもなります。
早急に専門業者に相談し、塗り替えを検討する必要があるでしょう。
なお、外壁塗装の修理方法については「【専門家が教える】外壁塗装の剥がれの原因と正しい修理方法とは?」の記事で詳しく解説しています。
モルタルのひび割れ
モルタルのひび割れは、規模によって危険性を判断し補修方法を検討します。
幅が0.3mm未満のひび割れは、ヘアークラックといって危険性は低く早急に補修する必要はないとされています。
もちろん補修しておけば安心ですが、経過観察を続け規模が拡大するようなら補修を検討するということでもよいでしょう。
幅が0.3mm以上のひび割れは危険性が高い可能性があるため、建物への影響が及ぶ前に補修が必要です。
ひび割れの補修方法は、大きく以下の3種類があります。
- ・ひび割れ被覆工法
- ・注入工法
- ・充填工法
これらの方法は、コンクリートのひび割れ補修と同様になります。
具体的な内容については「【コンクリートひび割れ】発生原因と補修方法!適切な補修材は?」の記事で解説しています。
モルタルの欠損
ひび割れなどに起因してモルタルが欠落してしまった状態が欠損となりますが、比較的リスクが高いため、早期の補修が必要な状態といえます。
例えば、欠損の症状によって大きく欠け落ちることもあり、落下することで人身事故や器物破損事故となってしまうようなケースです。
おもな補修方法は、欠損周辺の脆弱部分を除去後、プライマーを塗布して樹脂モルタルなどで補修し、乾燥したら塗装で仕上げます。
通常のセメントモルタルよりも軽量モルタルな補修に適した材料を使うと、垂れ落ちることもなく仕上がりもきれいになります。
モルタル外壁はDIYで補修できる?
モルタル外壁の補修は、ヘアークラックなどきわめて軽微な症状であればDIYでも可能です。
ただしDIYで行うと、補修跡は目立つこと、そして塗装で仕上げる場合は色ムラや早期の剥がれなど問題が発生する恐れがあることは理解しておく必要があります。
また、規模の大きな症状が見られる場合はDIYでの補修はおすすめできません。
というのも、外壁の補修が適切に行われないと、雨水の侵入を許し雨漏りの発生や構造を傷めてしまう可能性もあるためです。
さらには、当然ながらプロの専門業者のような仕上がり品質は期待できないでしょう。
せっかく補修するなら、建物を健全に守れるようにしないと意味がありません。
外壁補修は、できるだけプロの専門業者に依頼することをおすすめいたします。
モルタル外壁は、ひび割れなどの劣化が起こりやすい傾向にありますが、定期的にメンテナンスをすることで長寿命化を図れます。
一方、放置すると雨水の侵入を許すこともあり、場合によっては雨漏りなど不測の事態に陥る可能性もあるため注意が必要です。
まずは、専門業者に相談し、外壁のコンディションチェックを行ったうえで、どのようなメンテナンスをしていくのか検討してみるのもよいでしょう。