2023.4.4
左官仕上げの種類と特徴とは?
これまでに左官の魅力や、左官仕上げのメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、今回は左官についてより詳しく知っていただくために、左官の仕上げ方法について紹介していきたいと思います。
左官仕上げの種類と特徴
塗り壁(左官壁)
塗り壁(左官壁)とは、石灰や土、砂などの自然素材を用いて、職人が鏝や刷毛を使って仕上げる工法です。
金鏝仕上げ(金鏝押さえ)
代表的な工法の1つに、「金鏝仕上げ(金鏝押さえ)」というものがあります。
土間や壁面を上から押さえることで亀裂の発生を防ぎ、見た目を美しく仕上げることができます。
金鏝で平滑に仕上げるため高い技術が必要となります。
鏝波仕上げ
塗り跡をあえて平らにせず、塗り跡をパターンとして仕上げる工法です。
鏝の動かし方によって仕上げ模様が変わるため、職人によって仕上り方が異なります。
引きずり仕上げ
木鏝などを横方向に引きずって、鏝目を付ける工法です。
刷毛引き仕上げ
刷毛を横に引いて、横線模様を施していく工法です。
壁だけでなく駐車場や斜面などでもよく用いられる工法で、刷毛目を入れることで滑りにくくなります。
掻き落とし
骨材を混入したモルタルや珪藻土などの表面を、ブラシや鏝で引っ掻いて仕上げる工法です。
骨材が入っていることでモルタルよりも強度のある仕上げとなるほか、表面の凸凹に生じる微細なクラックが、大きなクラックを入りづらくしてくれます。
漆喰磨き(磨き仕上げ)
鏝で丹念に磨き上げ、鏡面に仕上げる工法です。
高い技術を必要とする最高級の仕上げ方法です。
鎧壁仕上げ
壁の表面を平らではなく、板を少しずつずらして張り重ねて鎧のように見える左官仕上げです。
水切りが良く、雨量の多い地域の外壁仕上げに多く採用されています。
剣先仕上げ
鏝の先端を利用して長方形の塗り跡を残して仕上げる工法です。
スパニッシュ仕上げ
角鏝や鏝尻を使って、塗り跡が長方形になるように模様付けをする工法です。
種石埋め込み仕上げ
モルタルを均した後、種石を1つずつ埋め込む工法です。
ネットストーンを使用することで種石の配置を考えずに済むため、施工時間を短縮できます。
研ぎ出し
種石を混ぜたモルタルを硬化前に砥石やサンダーなどを使って研ぎ出し、石の模様を出す工法です。
洗い出し
種石を混ぜたモルタルを硬化前に表面を水で洗い出し、種石の頭を出させる工法です。
石やビー玉など骨材の種類によってバリエーションが広がります。
「彩洗い出し」はウレタン樹脂とセメントによるハイブリット製品で、水で洗い流す必要がないため、室内にも施工可能です。
https://www.yabuhara-ind.co.jp/araidashi/irodori/araidashi/
三和土(たたき)
土・にがり・消石灰の3種類を配合(和)し、少量の水で練ったものを塗り広げ、小槌などで叩いて固める工法です。
かつては、土間の床の仕上げ材として使われていました。
アスファルトやコンクリートと異なり照り返しがないことから、ヒートアイランド現象の抑制に効果的です。
スタンプコンクリート
コンクリートが硬化する前にパターンマットで型押しし、レンガや石材、木材といった素材を再現していく工法です。
本物のレンガやタイルなどを使った場合と比較すると、耐久性が高く、費用も安価で、工期が短いといったメリットがあります。
また、デザインやカラーバリエーションも豊富で、ショッピングセンターやテーマパークなどでも広く採用されています。
左官仕上げの種類と特徴 まとめ
「想像していた仕上りと全然違う…。」
左官仕上げは職人の技術とセンスによって、仕上りに大きな差ができてしまうのは否めません。
そのため、左官仕上げを検討されている方は、左官の経験が豊富な業者に依頼することをおすすめします。