2020.4.27
外壁塗装の油性と水性はどちらを使うべき?
外壁塗装の塗料には油性のものと水性のものがありますが、どちらを使ったほうがよいのでしょうか?
それは、それぞれの特徴や期待できる効果などを知ることで、環境に適したほうを選択するとよいでしょう。
今回は、外壁塗装に使う塗料で油性と水性はどう違うのか、また特徴や期待できる効果などを解説します。
外壁塗装に使う塗料の油性と水性の違いとは?
外壁塗装に使う塗料の油性と水性では、含まれる成分が異なります。
塗料には、合成樹脂や顔料、添加物などの固体成分と、それらを希釈する液体成分によって構成されています。
そして油性と水性の違いとは希釈する液体成分の違いです。
シンナーなど有機溶剤を使って希釈しているものを油性塗料、水を使って希釈しているものを水性塗料として分類します。
なお、塗料を構成する成分については「外壁塗装の基礎知識を解説!塗料の成分や種類とは」の記事で詳しく解説しています。
油性塗料のメリットとデメリットとは
油性塗料はシンナーなど有機溶剤を使って希釈している塗料のことをいいます。
油性塗料のメリットとデメリットについてご紹介いたします。
油性塗料のメリット
- ・耐久性に優れる
- ・ツヤが持続する
- ・塗装可能な下地が多い
油性塗料は水性塗料と比較して塗膜が強く耐久性に優れることが一般的です。
とくに紫外線の影響を大きく受ける場所や劣化が強く現れていたような部位などは、耐久性をより高める意味でも油性塗料のほうが安心できるでしょう。
また油性塗料は、水性塗料よりもツヤのある仕上げを実現し、長く持続させることが可能です。
そして塗装できる下地が多いことも特徴のひとつで、とくに金属などツルツルした素材にも高い密着性を発揮し剥がれにくい塗膜をつくります。
油性塗料のデメリット
- ・においが強い
- ・コストが高い
- ・取り扱いがたいへん
油性塗料の最大のデメリットといえるのは、においが強いということでしょう。
希釈剤にシンナーなどの有機溶剤を使用していることから、塗装中に独特のにおいを発します。
シンナーに含まれる物質は「VOC(揮発性有機化合物)」と呼ばれ、環境や人体への影響があることから国の理念として「VOC削減」が推進されています。
このような流れを受け、近年普及しているのはより刺激の少ない塗料用シンナーを使った「弱溶剤塗料」です。
またその他にも、水性塗料よりも少しコストが割高になることや、引火性があるため厳重な保管が必要であることなども特徴になります。
水性塗料のメリットとデメリットとは
水性塗料は水を使って希釈している塗料のことをいいます。
水性塗料のメリットとデメリットについてご紹介いたします。
水性塗料のメリット
- ・においが少ない
- ・保管が楽
- ・コストが安い
水性塗料は希釈する液体成分に水を使っているため、塗装中でもにおいが少ないことが大きな特徴です。
とくにアパートなど住人や近隣への配慮が必要な建物への塗装などは、水性塗料のほうが有効に働くでしょう。
ただし水性塗料も若干のVOCを含んでおり、まったくにおわないというわけではなく換気は怠ってはいけません。
また水性塗料は油性塗料ほどの危険性はないため、周囲に害を及ぼすことはきわめて低く保管場所の選択も簡単です。
そして油性塗料よりもコストが安いものが多いことも特徴になります。
水性塗料のデメリット
- ・耐久性が油性塗料より劣る
- ・適さない下地がある
- ・低温環境には向かない
水性塗料は油性塗料よりも耐久性に劣ることが一般的です。
しかし近年ではメーカーの開発も進み、性能を高めたものも多く登場しており、すでに油性塗料との耐久性の差はそれほど大きくないといえるかもしれません。
またその他にも、金属などツルツルした面には適さないことや、5℃以下の低温になるような環境には向かないことなども特徴になります。
まとめ
外壁塗装の塗料には油性と水性がありますが、技術の進歩によって近年ではそれほど大きな差はなくなっています。
また市場のニーズも水性塗料のほうが高く、今後もこの傾向は続くでしょう。
とはいえ、耐久性など性能面では油性のほうがまだ優位にあります。 したがって、機能をより重視したいという場合は油性塗料を、においなど周囲への配慮が必要な環境にある場合は水性塗料を選ぶとよいでしょう。