2020.3.6
【外壁シーリングの 打ち替え】タイミングと工事の流れを解説
外壁シーリング工事とは?
目地や隙間部分に充填して、防水性や気密性を高める施工のことをシーリング工事といいます。
シーリング工事は窓のある建物(サッシの隙間)や外壁材(サイディングボード)を貼り合わせた建物など、多くの建物で施工されています。
シーリング工事が不十分だったり劣化したシーリングをそのままにしておくと、漏水の原因となりますので早めの対処が必要です。
シーリング材の役割
シーリング材の主な役割は3つあります。
- 1.緩衝材としての役割
- 2.接着剤としての役割
- 3.隙間や穴を埋める役割
1:緩衝材としての役割
シーリング材はサイディングボードの目地に充填されます。
目地にシーリング材を充填しておくことで、地震などが起きたときにサイディングボードにかかる負荷を減らし、力を分散してくれるので、ひび割れや破損を防ぐ役割があります。
2:接着剤としての役割
屋根瓦のズレを補修する際に接着剤として使用したり、屋根の棟板金を固定したりする際に使用します。
3:隙間や穴を埋める役割
屋根や外壁に穴や隙間があった際、シーリング材を充填して塞ぐことで雨漏りや漏水を防ぐことができます。
ただし、隙間や穴を埋める補修工事はあくまで応急処置となりますので、劣化が進まないうちに本格的な補修工事をご依頼されることをおすすめします。
外壁シーリングの打ち替え時期は?
シーリング工事は5~10年を目途に打ち替えが必要になります。
シーリング材は柔軟であるがゆえに緩衝材としての役割を果たしますが、紫外線を浴びることで硬くなってしまうため緩衝材としての役割を果たさなくなってしまいます。
シーリング材の劣化具合は以下の5点からチェックすることができます。
- 1.ひび割れ
- 2.破断
- 3.剥離
- 4.肉やせ
- 5.欠落
1:ひび割れ
シーリング材は劣化してくると表面にひび割れが起こります。
ひび割れしているシーリング材は柔軟性が失われた証拠ですので打ち替えの検討をおすすめします。
2:破断
シーリング材が劣化しひび割れが進行するとシーリング材の真ん中が切れる破断という症状が現れ始めます。
3:剥離
サイディングボードとシーリング材の間に隙間ができている症状です。
剥離の原因はプライマーの塗りムラ、地震などの揺れに耐えられなかったことなどが考えられます。
4:肉やせ
シーリング材の厚みが薄くなり隙間ができてしまっている症状です。
雨漏りや漏水の原因となりますので早急に対処が必要です。
5:欠落
シーリング材が取れてしまっている状態を欠落と言います。
劣化やプライマー不足、シーリング材の選定ミスなど様々なことが原因として考えられますが、目地がスカスカの状態ですので早急に対処が必要です。
外壁シーリング工事の流れ
STEP1:古いシーリング材を剥がす
サイディングボードの素地がでるまでしっかりと古いシーリング材をはがすことが大切です。
古いシーリング材が残っていると剥がれの原因となります。
STEP2:専用のプライマーをムラなく塗る
シーリングを剥がした部分に専用のプライマーをムラなく確実に塗ります。
STEP3:シーリング材を奥までしっかり充填する
シーリング材の打ち込み作業は、数m~数10mであれば1日で作業が完了します。
逆に1日で作業が終わらないと漏水の恐れも出てくるので、大規模な工事の場合は天候に留意する必要があります。
シーリングレスの評判は?
シーリング材には定期的なメンテナンスが必要なため、シーリング材が不要のシーリングレス外壁に魅力を感じている方も多いかもしれません。
しかし、シーリング材には緩衝材の効果が大きいことから、地震が多い日本では遊びがないシーリングレスはひび割れや破損のリスクが高いのではないかと懸念されています。
また、施工には高い技術が必要となり、ちょっとした隙間でも雨漏りの原因になってしまうといった施工の難しさも課題として挙げられています。 従来のサイディングボードでも過去のものと比較すると飛躍的に性能がアップしておりますので、それぞれの長所、短所を踏まえた上でご検討されることをおすすめします。