2024.8.16
大地震に備えて今やるべき建物の点検
日本は地震が頻発する地域に位置しており、特に大地震に対する備えが重要です。
点検を通じて建物の弱点を把握し、適切な補強や修繕を行うことで、地震時の被害を最小限に抑えることが可能です。
今回は、戸建て住宅、マンション、アパートに分けて、それぞれの建物に必要な点検項目と対策を紹介します。
大地震に備えて今やるべき戸建て住宅の点検と対策
建物の構造と基礎の点検
戸建て住宅の耐震性は、建物の構造や基礎の状態に大きく依存します。
以下の点を重点的に点検しましょう。
基礎のひび割れや沈下の確認: 基礎部分にひび割れがないか、または不均一な沈下が起きていないかを確認します。これらは建物の安定性に直接影響するため、問題が見つかった場合は専門家による補修が必要です。
耐力壁の配置と状態: 耐力壁が適切に配置されているかを確認し、壁にひび割れや劣化がないか点検します。耐力壁は地震の際に建物を支える重要な役割を果たします。
接合部の状態: 木造住宅の場合、梁や柱の接合部がしっかりと固定されているか確認します。緩みや腐食がある場合は、補強工事を検討します。
屋根と外壁の点検
屋根や外壁の状態も地震時の安全に直結します。
屋根材の固定状態: 瓦や金属屋根の固定がしっかりしているか確認します。屋根材が地震で落下する危険性があるため、緩んでいる場合は早急に補修します。
外壁のひび割れと劣化: 外壁のひび割れや塗装の剥がれがないか点検します。ひび割れは雨水の侵入を招き、建物の劣化を早める原因となります。
室内の安全対策
地震時に室内の安全を確保するための点検も重要です。
家具の固定: 大きな家具や家電は、転倒防止器具を使用して固定します。特にテレビや食器棚などは、固定しておくことで地震時のリスクを減らせます。
非常用持ち出し袋の準備: 非常時に備えて、必要なものをまとめた持ち出し袋を準備し、すぐに持ち出せる場所に保管します。
大地震に備えて今やるべきマンションの点検と対策
建物全体の耐震性の確認
マンションの場合、個別の住戸よりも建物全体の耐震性が重要です。
耐震診断の実施状況: マンション全体の耐震診断が行われているかを確認します。特に築年数が経過しているマンションでは、耐震補強が必要な場合があります。
建物の劣化状況: 建物の外壁、共用部分(廊下や階段)のひび割れや劣化を確認します。特に、外壁のタイルやコンクリートの劣化は、地震時に崩落する可能性があるため注意が必要です。
エレベーターと配管の点検
マンション特有の設備であるエレベーターや配管の点検も欠かせません。
エレベーターの耐震対策: エレベーターが耐震対策を施されているか確認します。地震発生時に自動で停止し、最寄り階で開放される機能があるかをチェックします。
配管の耐震補強: 給排水管やガス管が耐震補強されているか確認します。配管が破損すると、漏水やガス漏れのリスクが高まります。
室内の安全対策
マンション内の住戸でも、戸建てと同様に室内の安全対策が必要です。
家具の固定: 地震時に家具や家電が転倒しないよう、しっかりと固定します。特に上層階では揺れが大きくなるため、注意が必要です。
ガラスの飛散防止: 窓ガラスには飛散防止フィルムを貼ることで、割れたガラスが飛び散るリスクを軽減できます。
大地震に備えて今やるべきアパートの点検と対策
建物の耐震性能の確認
アパートは木造や軽量鉄骨造の建物が多く、耐震性能の確認が重要です。
耐震基準の確認: 1981年以降の新耐震基準で建てられたかを確認します。旧耐震基準で建てられたアパートは、耐震補強が必要な場合があります。
基礎と柱の状態確認: 基礎部分や柱の劣化やシロアリ被害がないか点検します。これらの劣化は耐震性能に大きな影響を与えます。
外階段やバルコニーの点検
アパートの外階段やバルコニーも安全性に影響するため、点検が必要です。
外階段の固定と劣化確認: 外階段がしっかり固定されているか、錆びや腐食がないか確認します。外階段は避難経路でもあるため、特に安全性が求められます。
バルコニーの手すり確認: バルコニーの手すりがしっかりと固定されているか確認します。手すりが緩んでいると、地震時に危険です。
居住者向けの防災対策
アパートに住む場合、共有スペースや共用設備の安全性も含めて対策を講じる必要があります。
避難経路の確認: 地震発生時の避難経路を確認し、障害物がないか点検します。非常口や避難はしごの使用方法も確認しておくと安心です。
ガスの安全対策: 地震時にガスの元栓を自動で閉める装置(地震時自動遮断装置)が設置されているか確認します。これにより、地震後の火災リスクを減らせます。
大地震に備えて今やるべき総合的な地震対策の実施
定期的な耐震診断の実施
いずれの建物でも、定期的な耐震診断を行い、建物の現状を把握することが重要です。
診断の結果に基づいて、必要な補強工事や修繕を行うことで、地震時の被害を最小限に抑えることができます。
補強工事の検討
診断結果や点検で問題が見つかった場合は、早急に補強工事を検討します。
補強工事には、耐力壁の追加や基礎部分の補強、外壁の修繕などが含まれます。
これにより、建物の耐震性能が向上します。
防災用品の準備と共有
建物の安全対策と併せて、防災用品の準備も行いましょう。
非常食や飲料水、簡易トイレなどの備蓄品を準備し、避難時に持ち出せるようにしておきます。
また、マンションやアパートでは、居住者同士で防災用品の共有や防災訓練を行うことも効果的です。
大地震に備えて今やるべき建物の点検 まとめ
大地震に備えた建物の点検は、建物の種類や構造に応じて適切に行うことが重要です。
戸建て住宅では基礎や耐力壁、屋根や外壁の状態を確認し、マンションでは建物全体の耐震性能や共用部分の安全性をチェックします。
アパートでは、基礎や柱の状態確認に加えて、外階段やバルコニーの点検も欠かせません。
また、地震時の被害を最小限に抑えるためには、定期的な耐震診断と補強工事の実施、防災用品の準備が必要です。
これらの対策を通じて、安心して生活できる環境を整えましょう。