2020.12.18
外壁塗装の臭いはいつまで続く?換気扇を使うと逆効果って本当?
外壁塗装を行うときに気になることといえば、工事中、そして工事が完成してからの「臭い」という人も多いようです。
外壁塗装の「臭い」は塗料に含まれる成分が原因ですが、ではその「臭い」はいつまで続くのでしょうか?
- ☑ 外壁塗装の臭いはいつまで臭いが続くの?
- ☑ 何日後には臭いが消えるという目安は?
- ☑ 室内に入ってきた臭いは換気扇で排出できる?
- ☑ 臭い対策としてできる方法は?
- ☑ 赤ちゃんやペットに影響は?
今回は、これら外壁塗装時の「臭い」にまつわるお悩みについて解説していきたいと思います。
外壁塗装の臭いはいつまで続く?
通常、外壁塗装の塗装工程は、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りになります。
これらのうち、臭いが気になり始めるのは中塗り以降です。
また、外壁塗装に使用する塗料には油性と水性の2種類があり、強い臭いを発するのは油性になります。
上塗りが完了すると1日程度で乾燥するため翌日以降はほぼ落ち着きますが、完全に臭わなくなるまでに時間がかかる場合もあります。
目安としては、油性の場合で長くて1週間程度、水性の場合で長くて3日程度です。
油性塗料と水性塗料の違い
外壁塗装に使う塗料には油性と水性があります。
これらの違いとは含まれる成分です。
塗料の主成分は、合成樹脂や顔料、添加物などの固体成分と、それらを希釈する液体成分によって構成されています。
この液体成分である希釈剤になにを使っているかによって油性と水性に分けられます。
それぞれ希釈剤として使われるのは以下の通りです。
- ・油性:シンナー
- ・水性:水
油性塗料はシンナーを使って希釈するため、比較的強い臭いを発するわけです。
シンナーには「VOC(揮発性有機化合物)」と呼ばれる物質が含まれており、環境や人体への影響があるとされています。
そのため、近年の油性塗料は、刺激が小さい塗料用シンナーを使った「弱溶剤塗料」が多くなっています。
なお、油性塗料と水性塗料の違いに関する詳しい内容は、「外壁塗装の油性と水性はどちらを使うべき?」の記事を参考にしてください。
水性塗料でも臭わないわけではない
水性塗料は水で希釈しますが若干のVOCを含んでいるため、まったく臭いがしないというわけではありません。
とはいえ、臭いという点では、油性塗料と水性塗料では比べ物にならないほどまったく違います。
よって、集合住宅など、とくに周辺への配慮が必要なケースでは、水性塗料を使うことが多くなるでしょう。
換気扇を回したら外壁塗装の臭いが室内に充満してしまう?
外壁塗装の工事中に換気扇を回したら塗料の臭いも中に入ってきてしまうのでは?と不安に思う人もいらっしゃるかもしれません。
一般の住宅の場合、窓はすべて養生したうえで施工を行います。
お客様からの要望がない限り施工期間中は養生を撤去することはないため、基本的に窓は締め切った状態です。
とはいえ、窓を閉め切っていても、建物には通気口や隙間があるため塗料の臭いが室内へ流れ込んでしまいます。
そのため臭いを排出するために換気扇を回す人もいますが、これだけでは大きな効果は期待できません。
というのも、窓を閉め切った状態で換気扇を回しても、建物の隙間から入り込んだ塗料の臭いを換気扇から再び排出するだけの循環が生じてしまうためです。
この状態は、いつまでも室内に塗料の臭いが充満することになります。
よって、まずは十分に空気が通る入り口をつくらなくてはなりません。
空気の入り口をつくるには窓を開ける必要があり、その状態で換気扇を回すことでたくさんの空気を換気扇から排出し効率のよい換気が可能になります。
その際、窓は複数箇所開けておくとさらに効果的です。
塗装の臭いを和らげるポイント
外壁塗装期間は、基本的に養生されたままです。
しかし、施工前にこの窓を開けておきたいと指定しておくと、特殊な養生などで対応してくれる場合があります。
また、夜間などに開けたい窓を伝えておけば、作業終了後に養生を撤去してもらえる場合もあります。
くれぐれも勝手に養生を外してしまうことは止めておきましょう。
外壁塗装中は、臭いを完全にシャットアウトできませんが、効率よく換気することで室内に入ってくる臭いを幾分和らげることは可能です。
エアコンを使用するときの注意点
エアコンの室外機には、メッシュ状の室外機カバーを被せて施工することで外壁塗装時でもエアコンを使用できます。
しかし、業者や建物の状況によって対応が異なるため、施工の前にご確認しておくことが重要です。
とくに夏場はエアコンを切ってしまうと熱中症になる可能性もあります。
外壁塗装の工事中でもエアコンが使用できることを確認しておきましょう。
外壁塗装の臭いは赤ちゃんやペットに影響はある?
赤ちゃんやペットと一緒に暮らしている場合、塗料の臭いによる影響はないのでしょうか?
ほとんどの塗料は基本的に安全です。
しかし、とくに油性塗料に含まれるシンナーなどの有機溶剤は、長く吸い過ぎると健康被害を引き起こす可能性があります。
人によっては吐き気や頭痛、めまい等といった症状が出る場合もあるため注意が必要です。
不安を感じる場合、塗装期間中は宿泊施設やペットホテルなどを活用するのもおすすめです。
外壁塗装の臭い:まとめ
外壁塗装で臭いを発するのは、塗装工程の3回塗りのうち中塗り以降からとなります。
塗装工程が完了して乾燥するとほぼ落ち着くため、とくに気になる期間となるのは中塗りから上塗り後の乾燥まで3日程度が目安です。
しかし、若干の臭いが残る場合もあるため、油性塗料で1週間程度、水性塗料で3日程度は警戒しておくとよいでしょう。
生活をするうえで臭いはどうしても気になる要素です。
不安に感じることがあれば、遠慮せず塗装業者に相談してみましょう。