2020.8.2
【外壁ひび割れ補修】シリコンシーリングを使ってはいけない理由と補修方法
一戸建てやアパートなど住宅の外壁にひび割れが発生することはよくあることですが、なかには応急処置としてDIYで補修するケースも見られます。
ひび割れ補修にはいくつかの方法があり、そのなかで有効な方法のひとつがシーリングの充填です。
しかし、シーリングの充填でひび割れ補修をするときに、やるべきではない行為があります。
それはシリコン系のシーリング材を使用することです。
今回は、外壁のひび割れをシリコン系シーリングで補修してはダメな理由について、そしてひび割れ補修の手順も併せて解説します。
外壁のひび割れ補修の方法について
外壁には、経年劣化や地震などさまざまな原因でひび割れが発生することがあります。
ひび割れにも種類があり、危険性が低いひび割れはあわてて補修する必要はありませんが、危険性の高いひび割れは適切に補修しなくてはいけません。
一般的に、ひび割れの幅が0.3mmを超えているようなら危険性が高い可能性があると判断できます。
したがって0.3mmを超えるようなひび割れがある場合は、プロの業者に点検を依頼し然るべき方法で補修してもらうことをおすすめいたします。
シーリングの種類について
シーリングとは、住宅など建築物で発生する隙間に防水性や気密性を確保するために充填することをいいます。
シーリング材は、種類ごとに特徴があり用途に適正が定められています。
おもにシーリング材の裏面に用途が表記されており、適正のない使い方をすると後に不具合を起こす原因になるため注意が必要です。
シーリング材のおもな種類は以下の通りです。
- ・シリコン系シーリング
- ・変性シリコン系シーリング
- ・ウレタン系シーリング
- ・ポリサルファイド系シーリング
- ・アクリル系シーリング
なお、シーリングの種類や用途に関しては、「【専門家が教える】外壁シーリングの種類と用途とは」の記事でくわしく解説しています。
外壁のひび割れをシリコン系シーリングで補修してはいけない理由
シリコン系シーリングは、価格も手ごろで耐久性にも優れるなど広く普及しているシーリング材で、おもな用途はガラスや浴槽、洗面台など、水回りが中心となっています。
そして大きな特徴として挙げられるのは、塗装が付着しないということです。
シリコン系シーリングを充填し、その上に塗装しようとしても油分を出すことにより塗膜がうまく密着できません。
このことが、外壁のひび割れをシリコン系シーリングで補修してはいけない理由です。
住宅の外壁は塗装で仕上げることが一般的ですが、塗膜が密着しない部分ができるようでは美しい塗装仕上げは難しくなります。
またシリコン系シーリングは接着力が強く、一度充填すると人力で剥がすことは簡単な作業ではありません。
つまり、一度シリコン系シーリングで外壁補修をしてしまうと、美観を損ねる原因になるばかりが、原状回復にとんでもない労力がかかってしまうのです。
専用のプライマーを塗布することで塗装をすることも可能ですが、十分な耐久性を得られない場合もあります。
外壁のひび割れを応急処置する場合でも、シリコン系シーリング以外の種類を選んで行うとよいでしょう。
外壁のひび割れ補修をシーリングで行う手順について
外壁補修をシーリングで行う場合の手順について簡単に解説いたします。
おもな手順は以下の通りです。
①ひび割れ周辺をVカット
ひび割れによってはそのまま充填すると内部まで入り込まないことがあり、できるだけ深く入り込むよう素材に適した工具で周辺をV字にカットします。
そうすることで、充填がしやすくなり密着性を高めることができます。
②清掃
密着性を高めるため、ハケやブラシをつかって丁寧にゴミやほこりを取り除きます。
③シーリングの充填
プライマーを塗布し、シーリングを充填します。
充填後は、ヘラを使って平滑にならします。
両サイドへはみ出し汚れることを防ぐには、マスキングテープをはると効果的です。
④乾燥
シーリングは、種類ごとに適正な乾燥時間が定められています。
硬化するまで触らないよう注意する必要があります。
⑤塗装
十分に乾燥していることが確認できたら、周辺の色に合わせて塗装で仕上げます。
外壁ひび割れシーリング補修のまとめ
外壁のひび割れ補修をするときには、シリコン系シーリングを使わないようにしましょう。
もし使ってしまうと後の処理が非常に面倒です。
またシーリングを購入するときには、必ず裏面の用途をチェックすることをおすすめいたします。 外壁塗装やひび割れ補修などのご相談は、お気軽にお問い合わせください。