2020.8.16
【コンクリートの白華現象】エフロレッセンスを効果的に除去する方法
コンクリートのエフロレッセンスとは、コンクリート表面に白い沈着物が現れることをいい、白華現象とも呼ばれます。
エフロレッセンス(白華現象)が現れると見た目によくありませんが、放置しておいても大丈夫でしょうか?
コンクリートの表面に発生するものについては、構造に大きな影響はないとされています。
ところが、場合によっては危険が潜んでいるケースもある点では注意が必要です。
今回は、コンクリートにエフロレッセンス(白華現象)が発生する原因や危険が潜んでいる可能性のあるケースについて、また除去する方法などもご紹介します。
コンクリートにエフロレッセンス(白華現象)が現れる原因とは?
コンクリートにエフロレッセンス(白華現象)が現れるメカニズムについて解説します。
まずコンクリートの成分である水酸化カルシウムが水に溶けて表面へとにじみ出ると、空気中の炭酸ガスと反応します。
水酸化カルシウムと炭酸ガスの化学反応によってできた物質は、水分の蒸発にともない白い結晶となってコンクリート表面に沈着します。
これが、コンクリートにエフロレッセンス(白華現象)が現れるメカニズムです。
またエフロレッセンス(白華現象)は、コンクリートを打設して比較的早期に現れる一次白華と、経年とともに現れる二次白華に分類できます。
基本的に構造に影響を与えることはないとされており、人や環境にも害はありません。
ただし外観を著しく損ねてしまうため、必要に応じて除去することも検討するとよいでしょう。
危険性のあるエフロレッセンス(白華現象)とは?
コンクリートに現れるエフロレッセンス(白華現象)は基本的に無害ですが、発生原因によっては危険性がともなうケースがあります。
そのひとつは、ひび割れが原因によるケースです。
ひび割れから水分が侵入し、その後に表面へとにじみ出て発生したエフロレッセンス(白華現象)の場合は、コンクリート内部で中性化が進行している可能性があります。
通常、コンクリートの内部は強いアルカリ性を示すことで鉄筋を腐食から守っています。
ところが中性化が進むと鉄筋が錆びてしまうことがあり、そうなると膨張して内側からコンクリートを押し出すように破壊する爆裂現象にいたる場合もあるのです。
エフロレッセンス(白華現象)がひび割れの周辺に多くみられるケースや、錆び汁が見られるケースなどは危険性が高いと判断できるでしょう。
規模の大きなひび割れや爆裂現象などが起こっているなら、早期に適切な補修工事が必要です。
有効なエフロレッセンス(白華現象)対策
エフロレッセンス(白華現象)の対策は、いくつかの方法があります。
まず、コンクリート表面の密閉が効果的です。
専用のコーティング剤をコンクリート表面に施すことで、水や酸素の浸透を防ぎ、エフロレッセンスの発生を抑制します。
その際、適切なコーティング材を選択し、専門家によって施工することが重要です。
次に、酸洗浄が挙げられます。
適切な酸を含む洗浄剤を使用し、コンクリート表面を洗浄してエフロレッセンスを溶解・除去しましょう。
身近にある酸を含む洗浄剤に「サンポール」がありますが、サンポールは陶器用に作られたものであり、タイルの色が変色してしまったり、コンクリートにまだら状のシミができてしまったという話もありますので、サンポールによるエフロレッセンスの除去はおすすめできません。
コンクリート表面の通気性を確保することも重要です。
コンクリート表面の通気性を確保することで、水分や気孔内の圧力を調節し、エフロレッセンスの発生を防ぐことができます。
通気性を確保するためには、通気性の高いコーティング材を選択し、防水シーラーなどを使用しないようにしましょう。
コンクリート構造物の周囲に良好な排水システムを設置することも効果的です。
コンクリート構造物の周囲に良好な排水システムを設置することで、雨水や地下水の浸透を防ぎ、エフロレッセンスの発生を抑制することができますので、排水溝や排水路の清掃、定期的なメンテナンスも大切と言えますね。
そして、コンクリート構造物の設計段階からエフロレッセンスの発生を考慮し、品質管理を行うことも必要です。
これには、不純物や添加剤の選択に注意し、適切な配合や施工方法を選択することが含まれます。
これらの対策方法は、エフロレッセンスの発生を防ぐだけでなく、既存のエフロレッセンスを除去するのにも有効です。
エフロレッセンス(白華現象)が発生しやすい時期
エフロレッセンスが発生しやすい時期は、主に気温や湿度の変化が大きい季節や環境下で見られます。
例えば、春先や秋口などの季節の変わり目や、夏季の高湿度、雨季などが挙げられます。
また、冬季は凍結融解サイクルが発生しやすく、これによってコンクリート中の水分が凍って膨張し、コンクリート表面を破損させてしまうため、その結果、水分や塩類が表面に浸透しやすくなり、エフロレッセンスが発生しやすくなります。
さらに、降雨と乾燥のサイクルが繰り返される環境下でも、エフロレッセンスが発生しやすくなります。
そのため、気象条件や環境要因を考慮して、エフロレッセンスの対策を行うことが重要です。
エフロレッセンス(白華現象)を放置するとどうなる?
エフロレッセンスは、コンクリート表面に白い粉が付着し、これが美観を損ないます。
放置されると、建造物や構造物の外観が損なわれ、見た目の品質が低下してしまいます。
また、エフロレッセンスに含まれる塩類がコンクリートの表面に蓄積し、時間が経つとコンクリートの表面を侵食する可能性があります。
この侵食により、コンクリートの表面が劣化し、耐久性が低下します。
さらに、エフロレッセンスが放置されると、コンクリートの内部に水分や塩類が浸透しやすくなり、これにより、コンクリートの内部構造が劣化し、構造物の耐久性が低下してしまいます。
特に、凍結融解サイクルが発生する冬季には、この問題が顕著になります。
エフロレッセンスを放置すると、構造物の美観を損なうだけでなく、構造物の劣化を進行させてしまいます。
その結果、修復がより複雑になり、時間と費用がかかってしまう可能性がありますので、エフロレッセンスが発生したら速やかに対処することが重要です。
コンクリートのエフロレッセンス(白華現象)を除去する方法
コンクリートにエフロレッセンス(白華現象)が発生すると見栄えを著しく損ねるため、状況に応じて除去するとよいでしょう。
エフロレッセンス(白華現象)は、ブラシを使って水洗いで落とせる場合がありますが、とくに二次白華になると除去剤を利用しないと落とすことは難しくなります。
また近年では、自動車の排気ガスや工場の排煙などの影響で、簡単に溶解できない物質へと変化していることがあります。
そこでおすすめするのが、弊社の白華除去剤「スーパーエフロクリーン」です。
スーパーエフロクリーン (ヤブ原産業)
「スーパーエフロクリーン」は、数種の成分を組み合わせることにより落としにくい白華物質も効果的に溶解除去する強力白華除去剤になります。
「スーパーエフロクリーン」の原液をブラシやハケなどで塗布すると、泡状の反応が起こります。
泡が消滅した後、ブラシを使って水洗いをするだけの簡単な方法で除去することが可能です。
コンクリートのエフロレッセンス(白華現象):まとめ
コンクリートのエフロレッセンス(白華現象)は、基本的に構造に影響を与えるような現象ではありません。
しかしひび割れから侵入した水分が原因で発生している場合は注意が必要で、中性化が進行し鉄筋の腐食につながる前に適切な補修をすることが重要です。
弊社では、外壁や床に発生したひび割れの補修工事を行っています。
状況に応じた適切な方法で補修し構造を守ります。
ぜひお気軽にご相談ください。