2020.8.9
【サイディングひび割れ】発生の原因と補修方法とは?
戸建て住宅の外壁材で9割以上と最も高いシェアを占めているのはサイディングです。
またサイディングにもいくつかの種類がありますが、なかでも最も多く採用されているのが窯業サイディングになります。
窯業サイディングは、表面は塗装仕上げとなっており10年程度を目安として劣化にともなう塗り替えなどのメンテナンスが必要です。
また劣化症状にはひび割れの発生などもありますが、その場合は雨水が侵入しないよう適切な処置をしないといけません。
今回は、住宅で最も使われている窯業サイディングのひび割れが発生する原因と、その補修方法について解説します。
サイディングの種類とは?
サイディングには大きく4つの種類があります。
- ・窯業サイディング
- ・金属サイディング
- ・樹脂サイディング
- ・木質サイディング
なお、サイディングの4つの種類に関する詳しい特徴については「外壁材の主流サイディングってなに?4つの種類とその特徴を解説」の記事を参考にしてください。
また、これらのうち、戸建て住宅で外壁材全体の80%近くのシェアを占めているのが窯業サイディングになります。
窯業サイディングは、セメントと木質繊維を主原料とする外壁材で、いずれも表面は塗装仕上げとなっています。
現在はJIS規格で最小厚さが14mm以上と定められておりますが、過去には12mmが主流となっていた時期がありました。
とくに12mmのサイディングでひび割れや反りなどが多くみられる傾向があるため、注意が必要です。
サイディングのひび割れの原因とは?
サイディングでひび割れが起こるのは、おもに以下の通り3つの原因が考えられます。
- ・釘固定部分のひび割れ
- ・劣化によるひび割れ
- ・構造の問題によるひび割れ
釘固定部分のひび割れ
サイディングの施工方法には釘打ちと金具留めがあり、釘打ちの場合はそこからひび割れが起きやすくなります。
とくに地震が発生した場合は釘で固定している部分を中心にひび割れが起こりやすく、場合によっては欠損にいたることもあります。
劣化によるひび割れ
サイディングの塗装が劣化し防水機能を損ねたり、シーリングが劣化して雨水が侵入したりすると、サイディング本体が吸水することがあります。
サイディング本体が吸水すると、もろく耐久性が低下してひび割れが起こりやすくなります。
構造の問題によるひび割れ
築年数の古い住宅の場合、サイディングの裏側に通気層を設けていない直張り工法で施工されていることがあります。
直張り工法で施工されている住宅は、サイディングの裏側に湿気が回り込むと逃げ道がないため、サイディング本体が吸水してひび割れが起こりやすくなります。
なお現在は通気層を設ける通気工法が一般的です。
サイディングのひび割れ補修方法とは?
サイディングに発生したひび割れを放置すると、そこから雨水が侵入してカビや構造部の腐れなどさまざまな悪い影響を及ぼすようになります。
ひび割れが発生したら、深刻な事態に陥る前に適切な補修をしなくてはいけません。
いわゆる「ヘアークラック」と呼ばれる規模の小さなひび割れであれば、DIYでも補修することが可能です。
ただし規模の大きなひび割れは、構造に影響を与える可能性もあるためプロの業者に補修の依頼をするようにしましょう。
サイディングの補修方法について、大きな流れは以下の通りです。
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①ひび割れ周辺部分をVカット
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②清掃
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③補修材の充填
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④塗装
①ひび割れ周辺部分をVカット
ひび割れに沿うように、カッターで削ってV字型の溝をつくります。
②清掃
ハケやブラシを使い、丁寧にゴミやほこりを取り除きます。
③補修材の充填
プライマーを塗布し、サイディングメーカー推奨のパテなど補修材を充填します。
充填後は、ヘラを使って平滑にならします。
④塗装
補修材が十分に乾燥していることが確認し、周辺の色に合わせて塗装で仕上げます。
サイディングのひび割れ:まとめ
サイディングのひび割れを発見したら適切に補修することが重要です。
また劣化が原因のひび割れは、定期的に塗装することで多くは防げます。
ただし直張り工法など構造に問題があるのであれば、塗装でひび割れを防ぐことは難しいため、サイディングの張り替えなどの方法を検討するほうがよいかもしれません。 外壁塗装やひび割れ補修などのご相談は、お気軽にお問い合わせください。