2020.3.30
【屋上防水工事】危険な劣化症状と効果的な対策とは
屋上防水は、他の部位よりも非常に劣化しやすい部分になります。
なぜなら紫外線をダイレクトに浴び続けていることや、降雨時には大量の雨水を受け止めることなど、構造的に過酷な環境にあることがおもな理由です。
しかし屋上で著しく劣化が進むと雨漏りにつながることもあるため、防水機能を損なう前に適切な処置をすることが重要になります。
今回は、屋上防水のメンテナンスを検討する劣化症状や、防水機能を長持ちさせる方法についてご紹介したいと思います。
屋上防水の種類と耐用年数とは
屋上防水にはいくつかの種類があります。
どのような種類があるのか、耐用年数や特徴などを簡単にご紹介いたします。
なお、屋上防水に関する詳しい内容は「【【屋上防水工事】3つの種類と施工方法は?」の記事を参考にしてください。
ウレタン塗膜防水
ウレタン樹脂を塗り重ねて形成する塗膜防水で、耐用年数はおおよそ10年が目安となります。
メンテナンス性に優れることや、コストが比較的安いことなどがおもな特徴です。
FRP防水
液状のポリエステル樹脂とガラス繊維などを一体化して形成する塗膜防水で、耐用年数はおおよそ10年が目安となります。
強度があることや、工期が短いことなどがおもな特徴です。
シート防水
シート状の防水材を床面に貼り付けて形成する防水層で、耐用年数はおおよそ10~15年が目安となります。
強度があることや、耐久性に優れることなどがおもな特徴です。
アスファルト防水
液状の溶解アスファルトとアスファルトシートを貼り重ねて形成する防水層で、耐用年数はおおよそ15~20年が目安となります。
実績が多く信頼性が高いことや、耐久性に優れることなどがおもな特徴です。
屋上防水の危険な劣化症状とは
屋上防水は、劣化の状況に応じて必要な処置を検討することが重要です。
こちらでは屋上防水のおもな劣化症状について解説いたします。
塗膜防水のひび割れ、浮きなど
塗膜防水の場合、表面のトップコートが最も早く劣化します。
表面に粉状のものが付着するチョーキングに始まり、その後も症状が進むとひび割れや剥がれなどが起こります。
トップコートだけの症状であっても、放置すると防水層まで傷める原因になるため、できるだけ早期に塗り替えることが重要です。
また劣化の進行や施工不良、地震などが原因で、防水層に浮きや破れなどの症状が現れることがあります。
この場合も、補修をするか耐用年数を迎えているタイミングであれば全面的な防水工事を検討するとよいでしょう。
シート防水の浮き、剥がれなど
シート防水の場合、シートが部分的に浮いたり、接合部分が剥がれたりする場合があります。
このような症状を放置すると、徐々に範囲を拡大して全体を浮き上がらせることもあるため、できるだけ早期に補修や貼り替えなどをする必要があります。
長期の水たまり
屋上防水は雨水がスムーズに排水されるよう適度な勾配がつけられているため、通常であれば水たまりができることはありません。
しかし長期的に水たまりが残っているようなら、排水ドレンにゴミがたまっていたり、防水層が浮いていたり、あるいは施工に不備があったりなど何らかの原因が考えられます。
水分に長期的に触れている状態が続くと、防水の劣化を早めるため、早急に原因を突き止めて解消する必要があるでしょう。
屋上防水の劣化を抑え機能を長持ちさせるコツとは
屋上防水は他の部位よりも劣化の進行は早いですが、適切にケアすると長持ちさせることも可能になります。
屋上防水の機能を長持ちさせるコツについて、2つご紹介いたします。
定期的なトップコートの塗り替え
塗膜防水で最も早く劣化するのはトップコートです。
トップコートの劣化の進行を遅らせることで、防水層への影響を軽減できます。
つまりトップコートを定期的に塗り替えることが、屋上防水を長持ちさせるための対策をして効果を発揮するわけです。
5年程度を目安としてトップコートの塗り替えを計画的に実施し、防水層の保護機能を強化するとよいでしょう。
屋上防水のトップコートの種類や重要な役割については「【屋上防水工事】トップコートとは?種類や役割は?」の記事でくわしく解説しています。
排水ドレンの清掃
排水ドレンにゴミがたまったままだと、長期的に水たまりのある状態が続きます。
そうなると濡れた部分の劣化は加速し、さらには排水ドレンもサビてしまう原因になります。
ドレン部の劣化は雨漏りの原因になることが多く、長期に水たまりが残る状態はできる限り避けなければいけません。
数カ月に1度は排水ドレンのチェックをして劣化の原因をつくらないようにしましょう。
屋上防水の劣化対策:まとめ
屋上防水は劣化しやすい部分で、しかも著しく進行すると雨漏りなど深刻な事態に発展することもあるため、必ず適切にメンテナンスをする必要があります。
また、なかなか目にする機会も少なく、気が付いたら取り返しのつかない状態になっていたということも珍しいことではありません。 屋上防水の点検、メンテナンスは、計画的にそして意識して実施することをおすすめいたします。