COLUMN 建物トラブル解決コラム

2023.11.7

コンクリートの中性化とは?放っておくと危険?【発生原因と対策法】

塗装、外装工事

コンクリートの中性化とは?

コンクリートはセメント中のカルシウム化合物が水と反応してアルカリ性の環境を作り出しているため通常はアルカリ性なのですが、コンクリート内に大気中の二酸化炭素が侵入することでコンクリート内のアルカリ性が中和され、中性に近づけてしまいます。

これを「コンクリートの中性化」と言います。

今回は、コンクリートの中性化について解説していきます。

コンクリートの中性化の症状とは?

コンクリートの中性化が進行すると、鉄筋の不動態皮膜が破壊され鉄筋の腐食が進行してしまいます。

主な影響として次のようなことが起こる可能性があります。

ひび割れや劣化

中性化によってコンクリート自体が劣化し、剥がれやひび割れが生じる可能性が高まります。

コンクリートの劣化は外観の美観を損なうだけでなく、構造物の強度を低下させてしまいます。

表面の変色

コンクリート表面に茶色や赤錆のような変色が見られることがあります。

腐食

コンクリート内の鉄筋が腐食しやすくなり、鉄筋や金属部分の周囲に赤い錆が形成されたり、鉄部品が腐食し始めることがあります。

強度低下

中性化によってコンクリートが酸性化すると鉄筋が劣化し、コンクリートの強度を低下させ、建築物や構造物の耐久性に深刻な影響を及ぼします。

これらの症状が見られる場合、コンクリートの中性化が進行しており、鉄筋の腐食などが問題を引き起こしている可能性があります。

必要に応じて、中性化したコンクリートの修復や補修を行うことが重要です。

コンクリートの中性化はどれくらいの年数で発生する?

コンクリートの中性化が進行する速度は、様々な要因によって異なりますが、年に厚さ0.5mmずつ中性化していくと言われているため、一般的な鉄筋のかぶり厚が3cmだとすると、60年程でコンクリートの中性化が鉄筋にまで到達する計算になります。

ただし、環境条件(潮風、塩分、化学物質、酸性雨などが中性化を促進します)や、コンクリートの品質や混合比、コンクリートが日常的に影響を受ける使用状況や負荷によって、中性化の進行が早まることがあります。

コンクリートの中性化の対策方法とは?

コンクリートの中性化を防ぐための対策には、以下のような方法があります。

適切な品質のコンクリートの使用

品質の高いコンクリートを使用し、正確な配合と適切な養生を行うことで、コンクリートの耐久性が向上します。

表面の保護

表面を保護するための塗装やコーティングを行うことで、外部からの影響を軽減することができます。

これにより、水や有害な化学物質の侵入を防ぎ、コンクリートを保護することができます。

防水処理

防水処理を施すことでコンクリート内部に水分が浸透するのを防ぎ、中性化の進行を遅らせます。

適切な設計とメンテナンス

適切な設計や適切なメンテナンスを行うことで、コンクリートの寿命を延ばし、中性化を防ぐことができます。

例えば、排水設備の効率的な設計や、排水システムの定期的な清掃が挙げられます。

中性化処理の施行

コンクリートの中性化処理を施すことで、アルカリ性を維持するための特殊な処理を行います。

これにより、コンクリートの耐久性を高めることができます。

これらの対策を組み合わせて適用することで、コンクリートの中性化を遅らせたり、予防したりすることができます。

コンクリートの中性化 まとめ

コンクリートの中性化を防ぐためには、予防的な対策を講じるとともに、定期的な点検や適切なメンテナンスが重要となります。

コンクリートの状態について気になることがある、不安を感じているという方は、まずはお気軽に弊社までご相談ください。

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