2023.10.10
コンクリートのジャンカとは?原因や補修方法はある?
「ジャンカ」という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?
今回はコンクリートのジャンカについて紹介していきます。
コンクリートのジャンカとは?
ジャンカとは、コンクリートの打設不良の事例の一つで、型枠を外したコンクリート構造物の表面に骨材(砂利)が凝集・露出していることを指します。
締め固め不足やセメントペーストの回りの悪さにより発生し、極端に酷い場合には手で触れただけで基礎表面のコンクリートがポロポロと落ちてくることもあります。
ジャンカの状態になると、コンクリートの中性化が加速してしまうため、通常のコンクリートの半分以下の強度になってしまうほか、鉄筋コンクリートの場合、鉄筋の腐食が進行してしまう恐れがあることから、建物の安全性や耐用年数に重大な問題が生じてしまいます。
ジャンカは骨材が豆のように露出することから「豆板」と呼ばれることもあり、料理をされる方であれば「すが入る」「すが立つ」などと言えばイメージがしやすいのではないでしょうか。
コンクリートの中性化とは?
大気中の二酸化炭素がコンクリート内に浸透して水と反応し、炭酸カルシウムを生成することで発生する鉄筋コンクリートの劣化症状の一つです。
中性化が進行し鉄筋などの鋼材位置に達すると不動態被膜が破壊され、鋼材が腐食・膨張することで、コンクリートのひび割れ・剥離を引き起こし、建物の耐久性を著しく低下させてしまいます。
また、ひび割れが発生した箇所からさらに二酸化炭素の侵入を促してしまうため、中性化によるコンクリート構造物の劣化、雨水等の浸入による鉄筋の腐食を加速させてしまいます。
コンクリートの中性化を予防するには、コンクリートの表面を塗膜防水材などで保護したり、鉄筋までのコンクリートの厚さを厚めにするなどといった方法があります。
コンクリートにジャンカができる原因とは?
ジャンカは材料分離もしくは締固め不足によって起こります。
コンクリートはセメント、骨材、水を混ぜた物ですが、それぞれ比重が異なりますので、重いものは沈み軽いものは浮き上がることで分離してしまい、骨材が鉄筋や型枠の端に積み重なって固まってしまうことでジャンカが発生してしまいます。
そのためバイブレーター(振動機)を使い、積み重ならないように撹拌・締固めていかなければならないのですが、長く振動を与え過ぎてしまうと今度は骨材が沈みこんでしまい、上下で材料分離が生じてしまうこともあるため、施工にはコツが必要になります。
コンクリートのジャンカの補修方法は?
コンクリートのジャンカは、ジャンカの程度のよって補修内容が異なります。
骨材が露出していても、叩いたり削っても骨材が滑落しないようであれば、ポリマーセメントモルタルなどの補修材を充填することで補修可能です。
露出した骨材を叩くと崩れてくるような場合は、脆弱な部分を取り除いてから補修する必要があります。
脆弱な部分が残っていると、補修後にひび割れが起こりやすくなり、中性化が加速してしまう恐れがあるためです。
脆弱な部分を取り除いた後は、ポリマーセメントモルタルなどの補修材を充填し補修します。
鉄筋が露出してバラバラと連続的に剥落しているような状態の場合、不要な部分のはつりを落とし、健全な部分を露出させたあとでコンクリートを打設し直します。
コンクリートのジャンカとは? まとめ
ジャンカは見栄え悪いというだけでなく、ジャンカを放置するとコンクリートの劣化が進行し、耐久性が失われ、最終的には建物が倒壊する危険性もあります。
基礎コンクリートにジャンカを発見した場合は、早急に専門業者にご相談ください。