2023.2.21
建築物省エネ法改正によるリフォームトラブルに気を付けて!
2022年6月に脱炭素社会の実現に向けて建築物省エネ法が改正されたことで、省エネ改修の機運の高まりに乗じた悪質リフォームが増加する恐れがあると、国交省が注意喚起をしています。
※参照:国交省
建築物の省エネルギー性能を向上するための措置を定めた法律です。
建築主は2,000㎡以上の非住宅建築物の新築・増改築の際には、省エネ基準への適合性判定を受けることが義務付けられ、300㎡以上の建築物の新築・増改築の際には、省エネ計画の届出が義務付けられています。
建築物省エネ法改正を利用した詐欺の手口とは?
省エネリフォーム義務化詐欺
建築物省エネ法改正を利用した詐欺の手口として最も考えられるのが「省エネリフォームが義務化されたのでリフォームをしなければいけない」「このままだと法律違反になる」「リフォームしなければ罰金を支払わなくてはいけない」といった手口です。
新築住宅や一定規模の増改築工事を行う際には、省エネ基準に適合することが求められますが、既存の住宅の場合、省エネリフォームは義務化されていません。
突然やってきた業者に法律で義務化された、法律違反になるなどと捲し立てられたら、不安になってその場で契約をしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、慌てず冷静に対処することが大切です。
もし契約してしまったとしても、契約書面を受け取った日から原則8日以内であればクーリング・オフの対象となりますし、不実告知により誤認して契約した場合には、騙されたと気づいたときから1年以内であれば契約を取消すことができます。
補助金詐欺
既存住宅の省エネ化への支援強化として、経済産業省、国土交通省、環境省の3省連携による住宅省エネ2023キャンペーンが行われることから、この補助金制度を利用した詐欺が増えることも懸念されています。
省エネ改修工事内容 | 補助対象 | 補助額 |
1)高断熱窓の設置 | 高性能の断熱窓 | リフォーム工事内容に応じて定額補助 上限200万円/戸 |
2)開口部・躯体等の省エネ改修工事 | 開口部・躯体等の断熱、エコ住宅設備の設置 | リフォーム工事内容に応じて定額補助 上限30万円/戸 |
3)高効率給湯器の設置 | 高効率給湯器 | 定額 エネファームは15万円/台、他は5万円/台 |
例えば、高断熱窓等の設置では1戸あたり最大200万円の補助金がでますが、窓リノベ事業者として登録されている業者でなければ補助対象となりません。
また、「補助金が出るからタダでリフォームできる」「早く契約しないと補助金の財源がなくなるからすぐに契約しないと」などと言って、契約を迫ってくるケースもありますが、補助金のみで工事が出来るとも限りませんし、補助金申請のための手数料として多額の金額を別途請求されることもあります。
詳しくは住宅省エネ2023キャンペーン特設サイトをご覧ください。
https://jutaku-shoene2023.mlit.go.jp/
建築物省エネ法改正によるリフォームトラブル まとめ
熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることによって、冷暖房費負担を軽減させることができるほか、CO2の排出量を減らすことができます。
省エネリフォームを検討されている方は、省エネリフォームの実績のある業者に相談することをおすすめします。
国の制度が改正されるとそれに便乗した詐欺が増加します。
おかしいな、困ったなということがあった場合は、一人で悩まず相談することが大切です。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、住まいの「困った」を相談できる国土交通大臣指定の相談窓口です。
住まいるダイヤルは、一級建築士が直接電話で相談を受けてくれます。
【住まいるダイヤル】0570-016-100
受付:10:00~17:00(土、日、祝休日、年末年始を除く)
省エネリフォームを正しく理解し、悪質な詐欺に引っ掛かることのないよう、補助金制度を上手に活用していきましょう。