2023.1.24
左官とはどんな仕事?名前の由来は?左官仕上げの魅力とは?
突然ですが、みなさん「左官」とは何かご存じですか?
左官とは建物の壁や床などに土やモルタルなどの壁材を、コテ(鏝)などを使って塗りの技術によって仕上げる仕事、またそれを専門とする職人さんのことです。
左官の名前の由来とは?
左官という言葉があるなら右官という言葉もあるのでは…?
そう思われた方、勘が鋭いですね!
江戸時代以前、木を扱う職業(大工)のことを「右官」と呼び、土を扱う職業のことを「左官」と呼んでいたそうです。
日本では日の昇る東は日の沈む西よりも尊いという考えから、左のほうが位が高いと言われているのですが(例えば左大臣右大臣とでは左大臣のほうが地位が高くなります)、このことを大工(右官)が嫌がり、右官と言わなくなったという説もあるんですよ。(諸説あり)
ただこちらの説は俗説と考えられており、平安時代の宮殿の建築に携わる組織「木工寮の階級」が由来になっているのではないかという説が有力視されています。
木工寮は律令制において宮内省に属する機関で、大工は守(かみ)、桧皮葺き大工は介(すけ)、金物大工は掾(じょう)、壁塗り職人は属(さかん/そうかん)と、階級に別れていたことが左官の由来になっていると言われています。
左官仕上げの魅力とは?
シームレスな仕上げ
左官仕上げの最大の魅力は繋ぎ目のないシームレスなことで、壁や柱、梁などを繋ぎ目なく塗り込むことができることでしょう。
一時期ブームになった「光る泥団子」というのは、実は左官技術の一つなんですよ。
光る泥団子の作り方
①芯を作る[土壁でいう荒壁]
粘土質の高い土に砂を入れた後、つなぎに藁スサを入れ団子状に丸め、天日に干して乾燥させる。
②形状を整える[土壁でいう中塗り]
粘土質の土に細かい砂と藁を混ぜたものを塗り、ガラス瓶の口などを使って土を削り球形にしていく。
③上塗りをして磨く[土壁でいう大津磨き]
石灰クリームで下塗りをした後、石灰クリームと色土、糊を混ぜたものを塗り、ペットボトルのキャップなどを使って磨いて完成。
公園の砂(ふるいを使ってサラサラにするのがコツ)でも作ることができますし、仕上げのクリームにアクリル絵の具で色を付ければ色付きの泥団子をつくることもできます。
春休みや夏休みを利用して是非作ってみてくださいね。
多彩なデザイン
左官仕上げはその仕上げ方法が実に多彩だということも大きな魅力ですよね。
左官というと、コテ1本で仕上げるというイメージがあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、左官職人が使用するのはコテだけではありません。
刷毛やホウキ、スポンジやローラーなどのほかに剣山を使うこともありますし、コテ一つとっても、先の丸いものや四角いもの、太さや長さの違いなど、左官職人は何十本というコテを適材適所に使い分けているんです。
また、道具の使い方もただ塗るだけではありません。
引っ搔いたり、削ったり、叩きつけるなど、色々な動作を組み合わせることでその意匠性は無限にも広がるのです。
そしてモルタルや漆喰などの材料に、色砂や色石などといった骨材やスサ、貝殻やもみ殻などの装飾材を加えることで豊かな装飾性も実現します。
機能性に優れている
左官で使用される自然素材は多数の小さな孔があり、吸放湿性や消臭性に優れているものが多く、室内環境を快適にする効果が得られます。
また、ゼオライトや珪藻土にはシックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着する効果があるため、環境改善剤としても注目を集めています。
左官とはどんな仕事? まとめ
伝統的な左官仕上げには塗装仕上げにはない魅力がたくさんありますが、一方で職人さんの技術によって仕上りに差が生じる場合があります。
理想の仕上がりを実現するためには信頼できる業者に相談するのが一番です。
外壁塗装にお悩みの方、まずは弊社までお気軽にご相談ください。