2021.5.6
コロニアル屋根から雨漏りする原因とは?【劣化・災害・施工不良】
コロニアル屋根から雨漏り?
コロニアル・カラーベスト・スレートの違い
日本で最も普及している屋根材といえばコロニアル・カラーベスト・スレートと呼ばれる屋根材です.
この名称が異なる屋根材、何がいったい何が違うのでしょうか?
じつはコロニアル・カラーベスト・スレート、すべて同じものです。
これらの屋根材は正式には平型化粧スレートと言います。
カラーベストというのはケイミュー株式会社で製造されているスレートのシリーズ名。
コロニアルというのはカラーベスト個々の商品名となります。
(現在住宅用のスレートといえば、ほぼケイミュー社が製造しています。)
コロニアルはセメントに人工繊維などを混ぜて着色した屋根材です。
昔は天然繊維のアスベスト(石綿)が使われていましたが、現在製造されているコロニアルにはアスベストは使用されていません。
瓦のように見える屋根材も実はコロニアル
コロニアルは厚さが5mm程度の薄い屋根材です。
厚みがありぱっと見た感じ瓦のように見える屋根材も実は厚型スレート(セメント瓦/スレート瓦)と呼ばれる屋根材です。
厚型スレートは価格が安く耐火性もあり、昭和初期から広く使われてきた屋根材です。
日本瓦同様重量があるため建物への負荷が大きく耐震性への不安があります。
また劣化して割れてしまうと雨漏りの原因にもなることから、現在ではほとんど使われなくなりました。
ちなみに工場などで見かける波状の屋根材は波型スレートと呼ばれる屋根材です。
コロニアル屋根の雨漏りの原因
雨漏りが発生する原因には大きく分けて3つあります。
1つは劣化によるもの、もう1つは自然災害によるもの、最後の1つは施工不良によるものです。
商品によって異なりますがコロニアルの耐用年数は一般的に20~30年程あります。
劣化すると撥水性が落ち表面にコケが発生したり、ひび割れや反りなどの劣化現象が出てきたりします。
劣化が原因で雨漏り
コロニアルの劣化の目安として釘抜けがあります。
コロニアルを固定するには専用の釘が使用されます。
しかし屋根の頂上にある鉄板の部材(棟板金)に打ち付けられている釘は、7~10年程で抜けてきてしまいます。
棟板金は金属でできているため、熱膨張を起こし、膨張と収縮を繰り返すことで次第に釘が抜けてしまうのです。
釘抜けを放置してしまうと雨水が侵入し雨漏りの原因になってしまいます。
また突風によって棟板金が飛ばされてしまう恐れもあります。
経年劣化によってコロニアルの表面の撥水性が落ちていると、雨水を吸水してしまいます。
表面が乾いて内側が湿っていると乾いた表面に引っ張られるようになります。
それによりコロニアルが反って浮いた状態になり、浮いた部分から雨水が侵入してしまうこともあります。
その他にもコーキングの劣化や剥がれなどが原因で雨漏りする可能性もあります。
コロニアルは基本的にはコロニアルと板金で施工されます。
そにため棟板金の継ぎ目などには必ずシーリングで隙間を埋める必要があります。
シーリング材の耐用年数は7~10年程しかありませんので、釘抜けのチェックもかねて10年毎に専門の業者に見てもらうと安心ですね。
建物の状況や規模によっても異なりますが、釘抜けの補修とコーキングの打ち直しであれば5~10万円程度で補修出来る場合がほとんどです。
災害が原因で雨漏り
近年、百年に一度クラスの大雨や台風が日本に数多く上陸しており、日本ではあまり馴染みのなかった竜巻や突風被害なども増えています。
台風や地震などの自然災害によって屋根が破損してしまった場合には火災保険が適用されますので、被害が拡大する前にしっかりと修繕しましょう。
施工不良が原因で雨漏り
屋根という場所は施主様が確認し辛いという場所もあり、杜撰な工事をされてしまうことがあります。
こちらは20年以上前に屋根の葺き替え工事を行い、今年修繕工事を依頼された方の屋根の状況です。
最近ではスマートフォンで撮影をしたり、ドローンで状態をチェックすることが一般的に行われています。
このようないい加減な工事は起こりえないと思いますが、20年程前にはこのような工事が横行していたと考えられます。
屋根の状態が不安、屋根の工事から10年以上経過しているという方がいらっしゃいましたら、まずは弊社までお気軽にご相談ください。
お問い合わせ・ご相談はいつでも無料です。