2020.12.28
マンションの結露対策に二重窓が最も効果的な理由
マンションは、戸建て住宅と比較して結露が発生しやすいので、冬がやって来るたびお困りの方が多いのではないでしょうか?
結露の発生は、カビなどが生育しやすい環境をつくってしまうため、内装材を傷めたり、人によってはアレルギー性疾患を引き起こしたりする原因になります。
マンションの結露を抑えるには、結露が起こりにくい環境をつくる必要があります。
その方法として最も効果が期待できるのが「二重窓」です。
今回は、マンションの結露対策として「二重窓」が最も効果が期待できる理由について解説します。
結露発生のメカニズムについて
空気中には一定量の水分を水蒸気として蓄えることができます。
この量を「飽和水蒸気量」といいます。
「飽和水蒸気量」は温度によって変化し、高温になるほど多く、低温になるほど少なくなることが大きな特徴です。
水蒸気を多く蓄えた空気が冷やされて限界量を超えてしまうと、蓄えきれなくなった水蒸気が押し出されるように水滴となって表面化します。
この現象が「結露」です。
マンションで結露が発生しやすい理由
マンションで結露が発生しやすい理由は、以下の環境が影響していると考えられます。
- 湿度が上がりやすい
- 窓の断熱性能が低い
マンションに多いRC造(鉄筋コンクリート造)の建物は、木造よりも気密性が高く、強制的に換気をしないと空気の入れ替えが滞り湿度が上がりやすくなります。
また窓の断熱性能が低いと外気温の影響を受け、窓周辺の温度は下がってしまいます。
よって、室内の湿度が高い場合、水蒸気を多く含んだ空気が窓付近に移動すると、飽和水蒸気量を超えて結露を発生させるわけです。
マンションの結露対策に二重窓が最も効果的な理由
マンションの結露対策として効果的な方法とは、結露が発生しにくい環境をつくることです。
湿度については、強制的に換気をしたり、あるいは必要以上に水蒸気の量を増やさないようにしたりするなど、湿度管理の工夫が必要になります。
そして、室内の温度差が生じないようにするには、弱点ともいえる窓の断熱性能を高めることが非常に効果的なのです。
窓を断熱強化する方法
窓の断熱強化にはいくつかの方法があります。
- 断熱シート貼り
- 複層ガラスに交換
- 二重窓を設置
断熱シート貼り
断熱シートを窓ガラスに貼る方法です。
ただしアルミ製のサッシは熱伝導率が高くそこから熱は逃げていくため、結露を抑える効果はそれほど期待できません。
またシート自体の断熱性能も十分とはいえず、きわめて限定的です。
複層ガラスに交換
ペアガラスやトリプルガラスなど複層ガラスに交換する方法です。
ガラスの間に空気層があることで優れた断熱性能を発揮しますが、この部分に特殊ガスを入れたタイプや真空にしたタイプなどはより大きな効果が期待できます。
また、ガラス面の片側に金属膜を施した「Low-Eガラス」は、遮熱タイプと断熱タイプの2種類があり、方角や位置によって使い分けると空調効率をより高めることが可能です。
二重窓を設置
既存の窓の内側に新たな窓を設置する方法です。
既存の窓をそのまま残して設置するため、非常に簡単な工事でありながら大きな効果が期待できます。
二重窓の効果とは、2つの窓の間にできる動かない空気層が断熱材としての役割を担い、熱移動を抑えます。
そのため、外気温の影響を受けにくく、窓周辺の温度が下がりにくいというわけです。
二重窓はマンションの管理規約に違反しにくい
分譲マンションは、専有部分と共用部分に分かれており、基本的に共用部分を勝手にリフォームすることは禁止されています。
専有部分とは、コンクリート躯体から内側の住居スペースを指し、共有部分とはそれ以外を指します。
窓は、一般的に共有部分に含まれることから、もちろん勝手にリフォームすることはできません。
ということは、複層ガラスに交換するリフォームは認められない可能性があります。
しかし一方で、窓の内側部分は専有部分にあたり、二重窓リフォームは規約違反にはならないことが一般的に多くなります。
以上のことから、マンションの結露対策として二重窓リフォームが取り組みやすく、そして最も効果的といえるのです。
とはいえ、マンションによっては専有部分のリフォームにも規約を設けている場合もあります。
いずれにせよ、リフォームをする前には管理組合に相談し、規約に違反していないか確認することが重要です。
まとめ
マンションの結露に悩んでいるなら二重窓がおすすめです。
コストパフォーマンスに優れ、規約にも違反しにくいため、手軽に取り組みやすい方法といえます。
また結露だけでなく、暖房効率を高めて光熱費の削減ができること、そして外部の音の流入を抑えることなど、さまざまな効果が期待できるリフォームです。