COLUMN 建物トラブル解決コラム

2020.11.8

マンションタイル浮き注入をどこまでやるか?その基準はあるのか?を解説

ひび割れ、浮き、タイル工事

マンションタイル浮き注入をどこまでやるか?

タイル張りのマンション修繕工事を行っている時、タイル面に浮きがあった場合多くはピンニングエポキシ樹脂注入工事を行っていると思う。

工事会社の担当者は「タイル浮きは全て注入する」と言うが、ベランダの中など落下の危険も少ないし、見た目もキレイなので本当にやる必要があるのか?疑問に思うケースもあると思う。現に改修までの長期間タイルは落下しなかった。

私の経験から言うと、やはり外部に面し、かつ高所に発生している場合は落下した際の危険性が高いため注入はやるべきだと言える。ただしベランダの中の壁や、人間の身長程度(2m程度)の高さに発生しているタイル浮きは必ずしも注入をしなくても落下した際の危険は少ないので除外も可能と言える。

つまりタイルが落下した際の危険度が高い部分=やる。危険が少ない=やらなくても影響は少ない。と言えるだろう。

ただしわれわれ工事会社の立場から言うと、工事が終わった後の事故は避けなければならないので可能であればすべて行っておきたいのが本音である。

施主、オーナーの立場であれば、もちろん理想なのは発見した浮きすべて注入修理した方が良いが、予算的な面やオーナー自身の考えでの判断となるので、最終的には施主、オーナーが判断をされても良いと思う。

その基準はあるのか?

タイル浮きの注入をやるかやらないかの明確な基準は正直ない。

その修繕工事における設計図書や工事仕様書があって、その仕様書に浮き注入の工事範囲が明確に示されていればそれに沿って工事を行うようになるが、一般の多くのマンション、ビル改修工事ではそういった仕様書は存在せず、工事会社の判断に委ねられることになる。

仮に工事仕様書があったとしても、それに沿って浮き注入が行われているかは打診確認などをしなければ意味をなさないため、そのチェック体制も重要である。設計事務所などが中間の監理に入っている場合は確認検査を行う事はあるが、工事会社にお任せの場合はチェックもお任せになるため手抜き工事を防ぐためにも信頼のある工事会社に依頼することも重要だ。

参考図書はあるか?

公共工事や民間でも規模の大きい工事では下記の共通仕様書が使用される。

公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版

https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000074.html

ただし、専門的な内容で書かれており、かつ建物の劣化状態によって工法も変わってくるため、建築に携わっていない方では判断がむずかしい内容になっている。

参考の一つとして覚えていて欲しい。

結論

マンションタイル浮き注入の範囲については、明確な基準は無いと言え、やはり工事会社にお任せになってしまうケースが多いと思う。

そこで問題になるのは工事会社がしっかりと工事してくれるかどうかである。

ただし工事を行っている最中に、工事会社を疑いながら、あれこれ指摘してくるのも逆に工事がスムーズにいかないケースもある。

信頼出来る工事会社を選んで発注したら、あとは施主、オーナーも工事がスムーズに進むよう工事への協力をお願いしたい。

工事は、発注者(オーナー)と工事会社お互いが協力しあって始めて上手く進むものである。 これから工事をお考えであればその点を理解し良い工事を行っていただきたいと思う。

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