2020.10.27
外壁シーリングにひび割れを発見!もしかしたら欠陥工事?その原因と修理方法を解説
「外壁シーリングのひび割れは年数が過ぎると必ず発生するのでしょうがない・・」と思っていませんか?
工事業者に言われたからと安易に塗替えを依頼する前にちょっと待ってください。
実はそのシーリングのひび割れ。新築工事の施工ミス、欠陥工事によるものかもしれません。
もし欠陥工事だとするとあなたは負担しなくても良い高額な工事費用を支払うことになります。
それを見極めるため工事を依頼する間にちょっとだけ読んでみて下さい。
今回は外壁シーリングのひび割れは欠陥工事?その原因と対策、修理方法について解説します。
外壁シーリングのひび割れには注意が必要
先日、お客様から「自宅のシーリングにひび割れが発生しているので見て欲しい」と問い合わせをいただきました。
現地に伺い、ご自宅の奥様にご挨拶をして建物外周部をグルッと確認。
見ると外壁サイディングのシーリングがたしかにビリビリと引き裂いたようにひび割れしていました。
日あたりの少ない北面の一部には少なかったのですが、西面や南面の日あたりの良い面のシーリングにはひび割れが多く発生し、場所によってはハガレ落ちてしまっている場所もありました。
外壁シーリングは単に外壁のすき間を埋めているだけではありません。
室内への雨漏りを起こさないよう防水機能が備わっています。
そのため外壁シーリングのひび割れには最も注意が必要です。
外壁シーリングのひび割れで引き起こされる損害
今回の建物について、私も当初は経年劣化(時間の経過と共に起きる劣化)と思い調査を行っていましたが、調べて行くうちに新築8年では通常見ることの無い症状が見られました。
それはシーリングのひび割れから目地底の金属が見られることでした。
これは通称ハット目地といって外壁サイディングのジョイントに適切な目地幅と奥行きを持たせるために設置する目地部材です。
そのハット目地が多くのシーリング目地で見られるという事は、シーリングのひび割れ劣化が進行しシーリング自体が無くなってきていると言うこと。つまり防水による建物保護機能がまったく働いていない事になります。
防水機能が働いていないことで、雨や台風時にサイディング目地から浸透した雨水が下地木材の腐食、金属部材のサビを引き起こす事が考えられます。
シーリングのひび割れが進行することで建物自体の構造に悪影響を及ぼすことになります。
詳しくは「外壁シーリングの劣化が建物に与えるリスクとその対策は?」の記事も参考にご覧ください。
外壁シーリングのひび割れ発生の原因は?
外壁シーリングひび割れの発生原因は何でしょうか?
私は更に調査を進め、ひび割れしているシーリングの一部をカットしてみました。
すると驚きの光景が!それはシーリング厚みがまったく足りていなかったのです。
サイディング目地の幅は約15㎜。奥行きは少なくとも10㎜必要ですがたった5㎜しかありません。
全ての目地を確認してみましたが、ほぼ全域の目地でシーリングの厚みは不足していました。
シーリングには目地幅に対して適する奥行き幅があります。
その適切な目地幅が無いと外壁サイディングの挙動(地震や温度などによる延び縮み)について行けずひび割れ、破断が起こってしまいます。
またシーリング(特に変性シリコン)は厚みが薄いと硬化しないという(薄層未硬化現象)症状がありますので、厚みは特に重要な部分です。
現地を見て分かるとおり今回のひび割れの原因は目地底にあるハット目地のサイズ違いでしょう。
建築業者がサイズ違いの目地材を取付けしてしまった事で必要なシーリング目地の奥行きが確保できずシーリングを打ち込んでしまった。
シーリング業者さんも気づいていたのかもしれませんがそのまま施工してしまったのでしょう。とても残念です。
外壁シーリングのひび割れ防止の具体的な対策
まずシーリングのひび割れを防ぐには基本、適切な厚み(幅、奥行き)が必要です。
外壁サイディングの規格に沿った目地幅、奥行きがありますのでそれに伴ったシーリング施工を行いましょう。
また適切な目地幅、奥行きがあっても肝心のシーリング工事がおろそかでは意味がありません。
工事業者の中には、費用を抑えるためにシーリング専門業者に依頼しないケースもあります。
その点でも信頼のおける工事業者を選ぶこともまた大切です。
外壁シーリングのひび割れの修理方法
今回の建物のようにシーリング目地の奥行きが不足している場合、修理も簡単にはいきません。
壁の中にある目地材のサイズ違いを根本的に修理するには外壁を取り外すなどとても大がかりな工事になってしまいます。
明らかに工事業者に瑕疵責任があればそのような工事を求めることもできますが、工事業者がすでに倒産し会社が無くなったというケースも多々聞きます。
あまり費用を掛けずに修理する方法としては、目地のサイズより大きくシーリングを打ち込むなどとにかくシーリングの厚みを確保してやる必要があります。
簡単な工事ではありませんが信頼のおける工事業者に依頼しましょう。
シーリングひび割れのまとめ
シーリングの耐久性は長くても10年です。
詳しくは「外壁シーリングの寿命を縮める劣化症状とは?メンテナンスの注意点は?」の記事も参考にご覧ください。
今回の10年未満での激しいひび割れが起きた場合、欠陥工事が考えられます。
それを知らずに塗替え工事、リフォーム工事を行ってしまうとムダな費用の支出及び同じ劣化症状がすぐに起きてしまうことも考えられます。
そのような失敗を未然に防ぐためにも工事を行う前に専門家に見てもらうことをオススメします。
事前の調査ならば無償で行う会社が多くあります。
信頼出来そうな実績十分の会社を選び、確実な修理を行って下さい。
キレイに工事をする会社では無く、劣化の原因を把握し改善してくれる会社を選ぶようにしてください。
弊社でも無償で点検調査行っております。
気になる点、おかしいと思う点がありましたら下記まで遠慮無く問い合わせ下さい。